土曜日, 2月 12, 2005

訪問者。

これまでは眠りから覚めるといつの間にか部屋の中に届け物があったりしたのだが、太陽が天頂に昇った頃に、これまで鍵がかかって開いたことのない扉をノックする音がした。

初めての出来事に、思わず躯が動かなくなった。

優しいノックの音は何度か続いたが、しばらくすると、鍵をかける音の後に再び静寂が訪れた。

我に返り、扉に駆け寄って開けてみようとしたが、もう、これまでと同じで鍵がかかって扉は開くことはなかった。