miraidiary

月曜日, 2月 28, 2005

何を求めるのか

紅の鉄騎に相応しい騎士の条件は何か。

一度きりのチャンスと、自ら答えを探さなければならない、条件。

いつか見た、天馬を操る騎士に話を聞くことが出来れば、何か判るかもしれないのだが。

日曜日, 2月 27, 2005

鉄騎の意志

再び、まどろみの中で声が聞こえてきた。

鉄騎との契約は、いつでもできるものではない。

年に一度だけ、それも一回切り。

一度断られた契約は、二度と契られることはない。

土曜日, 2月 26, 2005

騎士の条件

昨日の声に続いて、今日もまどろみの中で声が聞こえてきた。

紅の鉄騎は、背中に乗せる騎士が自分に相応しいか、信用できなければ契約に応じない。

ユニコーンであれば、清廉な処女であることが条件となるが、紅の鉄騎の条件はそれだけではない。

その条件が何なのかは、自分で探すしかない、という。

金曜日, 2月 25, 2005

鉄騎との契約

まどろみの中で、紅の鉄騎がゆっくりと私に向かって歩いてくる。

鉄騎に触れて共に走るためには、鉄騎との契約が必要だという。

そんな声が頭の中に響いた。

木曜日, 2月 24, 2005

仔馬との対話

ようやく、落ち着きを取り戻した。気づいたらあの仔馬のイメージはなくなっていた。

あの仔馬はどこからやってきたのか、そして、どうして私の心の傷を癒すことができたのか、はっきりしたことは判らない。

でも、凛々とした紅の馬のものとは違う、癒しを与える黄金色の仔馬には、また会える気がする。

水曜日, 2月 23, 2005

黄金色の仔馬

届けられた贈り物の中にあった綺麗なドレスを見ても、あまりの出来事に心が弾まない。

あの黒の騎士達に姿を見られるのではないかという恐怖心から、窓から外を見ることもできなくなった。

カーテンを閉め、部屋を暗くしてベッドで膝を抱えて塞ぎ込んでいると、今度は暖かいイメージとともに、黄金色の仔馬の心が私の心の中に流れ込んできた。

その優しい目をしている仔馬は、私があまりにもショックを受けていることが心配なようだった。

少し気が楽になって、仔馬のたてがみをなでてやると、私の心も少しずつ穏やかになってきた。同時に、堰を切ったように涙があふれ出てきて、思い切り泣いた。

黄金色の仔馬は、私が泣きやむまで、ずっとその優しい目をしたまま、佇んでいた。

おかげで、少し自分を取り戻せたようだ。

火曜日, 2月 22, 2005

恐怖

心の中に飛び込んできた、まだ見ぬ姉妹の一人が受けた責め苦は、あまりにも私の心と体に影響が強すぎた。

あまりのショックに、私の躰は冷え切り、震えが止まらなくなった。

黒の騎士は、黒の森とともに現れ、それはこの付近でも例外ではない。

果たして、私があの凄絶な責め苦を受けることはないということを誰が保証してくれよう?

月曜日, 2月 21, 2005

悲鳴

どうしてあのような荒々しい咆哮を出していたのか、昨日聞いた紅の馬の咆哮が耳について離れない。

しかし、その答えがわかった。まだ見ぬ姉妹たちの一人が、凄絶な責め苦を受け、心が破壊されてしまったのだ。

まだ見ぬ姉妹の一人が、黒の森の中で、青白く光る燐光をまとわりつかせた黒の騎士達に追い回され、血と泥と排泄物まみれにされた揚げ句、黒の騎士達に蹂躙されてしまった。

私の心の中に突如飛び込んできたその光景は、あまりにも現実感があるが故に、私の躰にまで変調をきたし、今も、躰の震えが止まらない。

日曜日, 2月 20, 2005

咆哮

今日はものすごい咆哮が外から聞こえてきて、その音で飛び起きた。

窓から外を見ると、紅の馬がものすごい咆哮と地響きをたてて、駆け回っている。

これまで見てきた紅の馬は、もっと静かでおとなしいという印象があったのだが、この荒々しさは一体どうしたことだろう。

土曜日, 2月 19, 2005

贈り物

目覚めると、扉のそばに紅の薔薇と一緒に大きな箱が置かれていた。

薔薇には手紙が添えられていた。

手紙を見ると、ただ一言、「綺麗」と書かれていた。

箱を開けると、色んな種類の衣類や肌着、身の回りの小物、それに化粧道具が入っていた。

一つ一つ、私に合う物を試してみるつもりだ。

金曜日, 2月 18, 2005

化粧

綺麗になりたい、と思うと同時に、此処に来てから化粧を一度もしていないことに気づいた。

もともと他の誰とも会わない状況だったので、あえて飾るようなことはせず、最も基本的な肌や髪のお手入れ程度しかしていなかった。

でも、もしこのまま訪問者に対することを考えると、本当にこのままでいいのか、という想いが胸の裡にわき上がってきた。

木曜日, 2月 17, 2005

沐浴

何が贈られて来るにしても、少なくとも失望されるようなことにはなりたくない。

普段よりも念入りに、躰を綺麗にしておかなければ。

水曜日, 2月 16, 2005

期待と不安

昨日の手紙をもう一度読んだ。

贈り物が届くというのだが、一体何が贈られてくるというのだろう。

火曜日, 2月 15, 2005

訪問者再び。

再び訪問者が私の部屋を訪れる。

しかし、今度は扉をノックするのではなく、

いつのまにか紅い薔薇が扉の内側に置かれている。

薔薇には手紙が添えられている。

「贈り物を今週末に」と書かれた手紙が。

月曜日, 2月 14, 2005

蒼い馬

雷鳴の中を、蒼く細身の鉄の馬が
紫電をまとわりつかせながら駆け抜ける。

それはまるで嵐を我が物のように操り、
雷鳴を手なずけるかの如く。

日曜日, 2月 13, 2005

絶対零度を駆け抜ける騎手

夢のなかで、紅い天馬の声を聞いた。

天馬は、遙か彼方を空間飛行をするときは、絶対零度の中を駆け抜けるのだという。

天馬を操る騎手は、絶対零度の中を駆け抜けても、凍り付くことなく天馬を御しなければならない。さもなくば、天馬の背から放り出されて空間の中を無限に落ち続け、二度と現世に戻ってくることができないそうだ。

土曜日, 2月 12, 2005

訪問者。

これまでは眠りから覚めるといつの間にか部屋の中に届け物があったりしたのだが、太陽が天頂に昇った頃に、これまで鍵がかかって開いたことのない扉をノックする音がした。

初めての出来事に、思わず躯が動かなくなった。

優しいノックの音は何度か続いたが、しばらくすると、鍵をかける音の後に再び静寂が訪れた。

我に返り、扉に駆け寄って開けてみようとしたが、もう、これまでと同じで鍵がかかって扉は開くことはなかった。

金曜日, 2月 11, 2005

曇天

肌寒さに目を覚ますと、外は鉛色の曇天に加え、雪が降っていた。

このような寒さの中では、空を駆ける天馬も見ることが出来ない。

木曜日, 2月 10, 2005

黒い火球。

黒の森から硫黄臭のする黄色い瘴気が立ち上ると、

その中から地獄の魔神が送り込んだ黒い火球が飛びだし、

地平の彼方へ消えていった。

水曜日, 2月 09, 2005

三日月の僧正様。

夜空を見上げていたら、昨日の天馬の群とは別に、単騎の天馬で空間飛行をしている人影が降りてきた。

この近くには寄って来れないようだが、頭の中に声が聞こえ、話をすることができた。

聞くと、紅の天馬を馴らして空間飛行を続けているようだ。

名を聞くと、異国の名前で三日月の僧正と言うらしい。

僧正様は、また会えることを祈ると言って、天高く飛び去っていった。

火曜日, 2月 08, 2005

鉄の馬の集会。

夜に空を見上げると、天馬の群が空間飛行をしているのが見えた。

その馬達は、まるで狂おしく身を捩るように夜空を横切り、

星くずを降らせながら、宵の彼方へ飛び去っていった。

月曜日, 2月 07, 2005

白い便箋

朝、目覚めると、今度はシーツの胸元に手紙が一通、置かれていた。

封筒は馬と薔薇の刻印が象られた紅いロウで封がされているが、差出人の名はなく、「To Mirai」と書かれているだけ。

彼の人からの手紙かと思うと胸の奥から熱いものが迸った。

しかし、開けた中にある白い便箋には何も書かれていなかった。

日曜日, 2月 06, 2005

夜の宝石たち

太陽が沈んだ後の空に舞い上がる。

足下には宝石箱をひっくり返したような大小さまざまの明かりが揺らめく。

黒の森の燐光とは異なり、この明かりには命が息づいているのが感じられる。

土曜日, 2月 05, 2005

一ヶ月が過ぎた。

あの暗い四囲から抜け出て、一ヶ月が過ぎた。

太陽の下に青く萌える若葉が眩しいが、これから躰を馴らしていこう。

金曜日, 2月 04, 2005

木靴

部屋にはふかふかの絨毯が敷き詰められていたが、裸足で歩くと少し寒く、足下が冷たかった。

今朝、目覚めるとベッドのそばに木靴が1足置かれていた。

履いてみると、木の柔らかい感触が足の裏に暖かく、思ったよりも快適だった。

木曜日, 2月 03, 2005

風と戯れる

紅の馬に跨った夢をみた。

私が紅の馬の背の上に乗ると、辺りは黄金の女神による光芒が降り注ぎ、黒の森の陰鬱さはどこかへ消え去った。

遙か彼方まで続く大平原、そして若草の匂いが心地よく、戯れてくる風は私の心を高揚させる。

いつか、夢ではなく、本当に紅い馬に跨って駆けてみたい。

水曜日, 2月 02, 2005

闇の馬

黒の森がどこにあるかは皆知っている。しかし、何処にあるかは誰も知らない。

黒の森には闇の馬が棲んでいる。

闇の馬には暗黒の騎士が跨り、彼らが通り過ぎたあとには、絶望と破滅しか残らない。

火曜日, 2月 01, 2005

黒の森、青と白の燐光

外はとても寒く、鉛色の空が広がっている。

窓から見た遠くの景色の中に、黒の森と呼ばれる、暗い森がある。

その暗い森の中に、青と白の燐光を放つ何かがいっぱい漂っている。

それ以上見つめていると心が引き込まれそうになるので、あわてて目をそらした。